
それぞれの特徴を考えてみた。
1. イラスト
例えば、バッタのイラストやアンパンマンなど。
簡略化され、創造物は、単純な線で構成されている。
下書きの段階で複数の線で、理想的な線を1本選び、その線はアート と比較して少ない線で構成されている。
左右対称、人が気持ちいいと感じるライン。形状を追求するため、比較的「円」をベースにすることが多い。
アンパンマンやミッキーマウスなどのように。
また、車のデザインでいうと、ワーゲンのビートルのような形。
できるだけシンプルに、わかりやすく表現されている。
この表現により、見る人がシンプルにそのものを認識できる。
認識しやすいということは、グッズやサインで活用されると、パッとみてイメージしやすいという効果を持つのではないか。
2. アート (絵画)
ここでは、美術的な絵画を例に挙げてみる。
絵画は、下書きの段階で、複数の線で構成され、ある程度理想のラインを求めるが、最終的に一本の線にまとめないケースがある。
そこに、複数の色が重なり、不規則な線と色が混じり合った結果、それが完成となる。
囲碁、将棋、ピアノもこれに似ている。
攻め方、奏で方に何通りもオリジナル性を出すことができる。
不規則ななかで、作者の規則性をもとに線と色が構成される。
これにより、見た人は、複雑な情報から、自分なりの規則性に当てはめて、この絵の中のひとは笑っている様にみえる、怒っている様にみえる。もしかしたら、今からあそこにいくんじゃないか。など、想像することにつながりやすいのでは無いか。
3. 特徴の比較
・イラストは、単純な線と色で構成されており、作者がドラゴンボールの悟空はこの顔、決めると、それが「ゴール」になる。完成物に余白が少ない。
見る人は、それを悟空として認識するか、悟空を真似して描いてみたいと思い、模写をするのか。
ゴールが定まっている。
・アート (絵画)は、複雑な線と色で構成されるため、描いたもの自体にオリジナリティがあり、比較対象がない。
比較対象がないことから、見る人は、それを「上手・下手」「好き・嫌い」「感じる・感じない」という自分の物差しで判断することになる。
考える余白が生じやすい。
アンパンマンは、デザインとして研ぎ澄まされたものではあるが、アートと比較すると、この余白が少ない。
アンパンマンが余白を生じさせる方法の一つは、ストーリー性だと思う。
アンパンマンは、愛と勇気と平和をストーリーに盛り込むことで、見る人の想像力を喚起させている。
この余白をどのように作り出すのかが、見る人に価値を感じさせることにつながるのかもしれない。