地域の塗り絵とは

 地域の塗り絵は、地元のお祭りや名所を題材にした「懐かしさ」感じるご当地塗り絵のことです。シリーズは現在、約50シリーズあります。

『地域の塗り絵』完成までの道のり

 「意欲の低下が見られる高齢者様や認知症を患っている高齢者様に活力を」という志のもと、作業療法士と共に企画致しました。実際に施設を利用するお年寄りに話しを伺うと、みなさん故郷での思い出を大切にして いらっしゃいました。 その想いにヒントを得て、高齢者様が「懐かしい」と感じる場面――子供の頃の遊び場や お祭りの風景など――を題材にした塗り絵を考案、作業療法士の宇佐美先生との共同監修により2012年に商品化致しました。 

作業療法士から見た地域の塗り絵 (作業療法士 宇佐美好洋)

 「人は、作業をすることで元気になれる」という作業療法の考え方があります。 ただ、その作業はなんでもいいわけではありません。その作業は、その人にとって意味のある作業、価値のある作業でなければ元気になれません。 自分にとっての意味のある、価値のある作業とは何か?なかなか聞かれてもぱっと答えら れる人は多くないと思います。 人の作業は、過去、現在、未来とつながりがあります。過去があっての今です。今があって未来へ続きます。過去を振り返ると今、自分が大切にしていること、意味のある、価値のある作業に気が付きます。自分は、これが大切だったと。また、その背景(理由)に気がつくことができます。

 地域の塗り絵をしながら、回想法を行うことで、意味のある作業、価値のある作業を言語化します。そうすると、無意識のレベルであった、やりたい作業は、意識化します。それをどんどん、明確にし、具体的にできるよう計画が立てられれば、主体的に行動できるようになるのです。

 

「地域の塗り絵」の特徴

 地域の塗り絵は、「懐かしさ溢れる塗り絵の見本」「その時代の背景や文脈がわかる説明文」がつきます。これにより、高齢者が馴染みのある地域を回想し、心を癒すことが期待できます。

1.懐かしさ溢れる塗り絵の見本付き

 色鮮やかに描かれた見本は、見本としての機能だけでなく、見るだけでも懐かしい風景を思い出し、 心を癒してくれます。

 

2.その時代の背景や文脈がわかる説明文

 絵の下にその時代の背景や文脈が説明されています。知らない地域の絵があっても、この説明文をきっかけに対象者自らの語りを促すことができ、コミュニケーションを円滑にすることができます。

「地域の塗り絵」の活用方法

 地域の塗り絵は、考え方次第でさまざまな活用方法ができます。 ここでは、実際に私が行っている活用方法の1つをご紹介します。まず、対象者と馴染み のある地域の塗り絵の見本を一緒に見ます。そして、その時代の背景や文脈がわかる説明 文を一緒に読みながら、見本に描かれている地域のことを対象者に教えてもらいます。

 

 対象者が、その地域の思い出に浸り、興味や関心がわいたら塗り絵に取り掛かります。はじめは、作業療法の時間に一緒に行いますが、徐々にご自分で作業療法以外の時間に行って頂きます。

 

 できあがった塗り絵は、額に入れお部屋に飾ります。そして、敬老会などのイベントがある時は多くの人に作品をみてもらえるように展示します。このように塗り絵という作業を展開させていくことで、対象者の生活に張りを作り、毎日の生活を楽しく、そして健康に過ごせるようにします。

 

 私は塗り絵という作業を、人を健康にする 1 つのツールとして活用しています。 介護職の皆さまもぜひ活用してみてください。上記は一部 宇佐美先生のコラムより引用(2012 年 9 月 24 日) 

宇佐美好洋先生

【所属】帝京平成大学 健康メディカル学部 作業療法学科 助教

【現在所属している学会】日本作業療法士協会、東京都作業療法士会

【研究の分野】身体障害作業療法、老年期障害作業療法、専門職間連携

【主な研究項目】特別養護老人ホームにおける作業療法士と介護職の連携に関する研究

回想することで生じる効果

 ミッケルアートを用いた成人女性 8 名に対する基礎研究では、絵を見て「リラックスする」 「生き生きする」「元気いっぱい」「活気が出る」と感じた方が 4 名いらっしゃいました。

 この4名が、絵画を見たことで左脳血流量は 0.22mM-mm、右 0.24 mM- mm 変化したのに対し、絵を見ても何も感じなかった他 4 名の方は、左-0.1 mM-mm0、左-0.09 mM-mm でした。眼球運動は、0.2 秒以上の注視の総数、および回数に違いはなかったものの、見方に違いがあり、絵に関心を寄せなかった4名は偏りなく注視するのに対し、絵を見て何らかの快適さを感じた4名は絵画中の特定の場所を有意に長く注視していました。

 また、自由記載の文字数・項目数も絵を快適と感じる人に多く見られました。

 

 この結果から、絵画を快いと感じて注視し、何かを想起・記憶することを通して、脳血流量は増加し、語りの文字数を増加させる効果があることが明らかとなりました。意識的に対象の好む情報を取り入れた絵画を提供し、効果的に注視を誘導ことが脳機能活性につながることが示唆されています。

 ※ミッケルアートによる脳機能活性の効果_ミッケルアートを活用した認知症ケア検証のための基礎研究 より

地域の塗り絵については、こちらをご覧ください(下のロゴをクリック)

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